ちらん武家の正月飾りは、古式にのっとた武家の正月行事で新年を迎えた家庭に幸を届けてくれる年神様の目印として門に飾ります。「しめなわ」は、神聖の区域の堺を意味し、龍(大蛇)の姿を表現しているという説もあります。
門松は3段階に変化し、それぞれに意味があり、飾り物もそれぞれ意味を込めて、七日正月飾り(1月7日~13日)には魔払いの意味があり、小正月飾り(14日~20日)は五穀豊穣を願ったものです。
<大正月門飾り 12月28日~1月6日>
シラスと呼ばれる白い火山灰を盛った上に松・竹・梅を立て、薪を3本おき、庭にもシラスがまかれます。大蛇の姿を表現したとも言われるしめ縄は、神聖な区域の境目であることを示しています。また、門松で使用されている松の芯1本は、小正月門飾りまで飾られます。
・ウラジロ:裏まで白く清い気持ちで新年を迎える
・杠と橙:次の世代に代々譲る
・里芋:子孫繁栄
・炭:黒くなるまで一生懸命働く
<七日正月門飾り 1月7日~1月13日>
松やタラ、モロが使われます。タラノキのトゲや燃やすと音のするモロなどが魔払いの意味があるといわれています。
<小正月門飾り 1月14日~1月20日>
松やエノキ、ネコヤナギ、餅が使われます。エノキの枝に刺した餅はメノモチとも呼ばれ、栗餅と餅を飾ります。五穀豊穣の願いが込められています。
HP→知覧武家屋敷庭園